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今回は、自傷行為は罪悪感を消す効果はあるだろう、について名古屋の児童精神科医が解説

自傷行為は罪悪感を消す効果はあるだろう

こんにちは、名古屋市千種区 児童精神科専門クリニック、医療法人永朋会 和光医院、加藤晃司です。

今回は、自傷行為は罪悪感を消す効果はあるだろう、について解説します。


自傷行為のような痛みを伴う行為は、一次的ですが気持ちを安定させる効果はあると思います。

痛み刺激自体が、強い感覚なので気をそらす効果がありますし、神経系をリセットするという意味もあるでしょう。

それとは別に痛み刺激や、傷などが自分への罰のような意味を持ち、罪悪感を少しなくしてくれるから、というのもあります。
本質的にはこっちの意味合いの方が大きいと思います。


「罪悪感」

自分ではそう意識できていなくても、無意識化で罪悪感を感じている人が自傷行為をしているケースを多くみてきました。

そういう人たちはおしなべて自己評価が低く、自我機能がしぼんでしまっている印象です。

幼少期より、不認証環境、つまり適切にほめられたり、愛されたり、評価されたりしてこなかった生育歴を持ちます。

非常に自信がなく、基本的な信頼感がない、自分が理由がなくても存在していていいんだ、という感覚が乏しいことが多いです。

そして自傷行為は、死なないためにやっている、ということを理解する必要があります。

自傷行為をすること自体を怒られても、少し困るということです。

近しい人に心配されるのはしょうがないとして、治療者が本気でおこったら、本人は自傷行為を悪いことだと思い、それを言えなくなります。

それはこれまで本人が周りの人たちにされていたことを、そのまま繰り返すだけで、なんの解決にもなりません。

自傷行為そのものは本人が自分が使える手段の中で見つけた、死なないための緊急手段ですから、これに代わるものをみつけていく、最終てきにはそういうものがなくても不安定にならない、
ことを目指していきましょう、というのが目標となるはずです。

自分が生きていてもいいんだ、と思えるようになるまでは大変だった生育歴の時間の分だけかかるかもしれませんが、そういうものです。

理由は特に見当たらないが、「罪悪感」のようなものだけはずっと心の中にある。

そういうことがあるということを想像できるようになると、治療者でなくても、少し人への見え方は変わってくるのではないでしょうか。

まとめ
今回は、自傷行為は罪悪感を消す効果はあるだろう、について解説しました。
自傷行為を死なないためにやっている。
これは実際にそういう子たちをみてきたので、間違いなく存在している理由です。
ただ否定するだけでは何も解決はしません。
環境的なものが何もかわっていなかったとしても、傷をつける自傷行為以外の行動にある意味での自傷を変えていけることはできます。自傷はかわらなくても、持っていく先をかえるだけで、まわりが納得することはあります。
そして本質的な解決、自分自身の理解、ができれば、自分への責め方も変わってくるはずです。

医療法人永朋会 和光医院
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