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今回は自閉性スペクトラム障害(ASD)への療育の重要性、その方法、について名古屋の児童精神科医が解説

自閉性スペクトラム障害への療育の重要性について

こんにちは、名古屋市千種区 児童精神科専門クリニック、医療法人永朋会 和光医院、加藤晃司です。

今回は自閉性スペクトラム障害(ASD)への療育の重要性、その方法、について解説します。

ASDの診断、そして療育を含めた治療の相談はかなり多いです。

特に就学前の子供の場合、治療の選択肢は少ないため、基本、療育的なアプローチが主軸となります。

地域の療育センターを利用することもありますし、さまざまな理由で療育センターが利用できない場合は、クリニック内でやれるだけやります。

療育はトレーニング、治療という意味でも重要ですが、同じ先生に就学以降もみてもらうことも同じだけ重要だと思います。

それは、医師、心理士、作業療法士、言語聴覚士、どんな職種だとしても、そう思います。

子どもは年齢とともに変化しながら、成長していきます。悩みも年によって、おかれている環境によって変わってきます。

それはASDだからこうです、というものではありません。100人いたら、100人悩みも、対応も異なります。

だからクリニックは療育センターよりは規模は小さくなりますが、大人になっても継続してみていけるという意味では、上手く使ってほしいと思います。
療育センターと並行してこられている方も多くいますので、それでもいいと思います。


ここでASDに対する療育の説明をしておきます。


自閉性スペクトラム障害(ASD)への療育は、多くの重要な利点を提供します。ASDは、社会的コミュニケーションの困難、繰り返しの行動、限定された興味や活動など、さまざまな症状を特徴とする発達障害です。療育は、これらの挑戦に対処し、ASDを持つ個人の能力と生活の質を向上させることを目的としています。

療育の重要性

早期介入:
ASDの早期診断と療育の開始は、長期的な成果に大きく影響します。早期からの介入は、コミュニケーション能力、社会的スキル、学習能力の発達を促進します。

社会的・コミュニケーションスキルの向上:
療育を通じて、ASDの子どもはコミュニケーションスキル、対人関係の構築、感情表現の方法などを学びます。

行動的課題の管理:
特定の行動療法や介入は、自傷行為や他害行為、反復行動などの挑戦的な行動を減少させるのに役立ちます。

教育と学習のサポート:
個別の教育計画や適応教育プログラムは、学習における個々のニーズを満たし、教育的成果を向上させます。

家族へのサポート:
療育は家族にも利益をもたらし、ASDを持つ子どもをサポートする方法を親や兄弟に提供します。

自立への支援:
生活スキルや職業スキルの訓練は、ASDの人々がより自立した生活を送るのを支援します。

個別化されたアプローチ:
ASDはスペクトラム障害であるため、療育は個々のニーズに合わせてカスタマイズされるべきです。

療育の方法

応用行動分析(ABA): 行動を改善し、新しいスキルを教えるための一般的な方法です。
言語療法: コミュニケーションスキルの強化を目指します。
作業療法: 日常生活のスキルや運動能力の向上に焦点を当てます。
感覚統合療法: 感覚処理の問題に対処します。
社会スキルトレーニング: 社会的相互作用のスキルを強化します。

療育は、ASDを持つ個人が可能な限り充実した生活を送るために不可欠です。介入はできるだけ早く始めることが望ましく、個々のニーズに合わせて適応されるべきです。専門家との連携により、最適な療育計画を立てることができます。


といった感じです。


まとめ
ASDに対する療育は早い段階からやった方が色んな意味でいいと思います。
養育者の方のサポーターは多い方がいい、というのもあります。
子どもも脳がどう発達していくか、誰にも分かりません。
ASDの特性がなくなっていく子もたくさんみてきました。
どうなっていくか分からないとしても、あらゆる細胞をトレーニングしていくのは、悪いことではありません。
必ず療育をこなしてきたという経験は、子どもにも養育者にも役に立ちます。
気になることがある方は、相談だけでもいいので、児童精神科をたずねてみてください。


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