母子関係は世代間伝達していることを忘れてはいけない、名古屋の児童精神科医が解説
母子関係は世代間伝達していることを忘れてはいけない、名古屋の児童精神科医が解説
こんにちは、名古屋市千種区 児童精神科専門クリニック、医療法人永朋会 和光医院、加藤晃司です。
今回は、母子関係は世代間伝達していることを忘れてはいけない、について解説します。
児童精神科をしていると、子どもがメインの治療対象となりがちです。
もちろん間違ってはいないのですが、養育者、主に母親のことが多いですが、まわりから母親が悪い、となっているケースがかなり多いと思います。
母親の本人との関わり方に、確かに問題があることはあります。
しかしそれで母だけをせめて、お母さんが変わらないと何も変わらないんですよ、と言い続けていても意味がありません。
それはなぜか。
母親にも、もちろん養育者(主に母親)がいるからです。
母親と、その親との関係は、誰も触れてくれないことが多いはずです。
ですが基本的には母子関係は形は変えながらも世代間伝達していると考えた方がいいです。
本人と母の関係は、母親とその親との関係と連続性があることがほとんどです。
母も、母なりに自分の親との関係の中で苦労や、悩みをかかえています。
そこを無視して、とにかくあなたが悪いと言われたとして、分かっていてもなかなか入ってはいかないでしょう
母とその親との関係が、今の子どもと自分の関係につながっている、ということを腑に落ちないと治療は先に進みにくいです。
ですので、本人の生育歴を振り返ることも重要ですが、母子関係のいびつな関係が根深くあるのであれば、母親の生育歴も深堀していく必要があります。
養育者が自分と親との関係の振り返りの中で、今に連続する共通点を見つけることができれば、そこからは治療は早く進展します。
それは母親が治療者として、本人との関係を修正していくことができるからです。
親がいないのであなれければ、そこまで導いていくのが児童精神科医の仕事、ということになるでしょう。
まとめ
今回は、母子関係は世代間伝達していることを忘れてはいけない、について解説しました。
もちろんこれは、すべての子どもとその養育者に当てはまるわけではありません。
ですが母子関係に原因があり、それが世代間伝達しているものであれば、養育者の生育歴も紐解く必要がある、ということが覚えておいてください。
そしてこの世代で母子関係を改善できれば、世代間伝達はこの世代でとまるわけです。
親の生育歴までたどっていくのは時間がかかりますが、その価値がありますので、その際は頑張ってみてください。
医療法人永朋会 和光医院
医療法人永朋会はこちら