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大人のADHD治療の子どもとの違い、そして治療だけがゴールではないということについて、名古屋の児童精神科医が解説

大人のADHD治療の子どもとの違い、そして治療だけがゴールではないということについて、名古屋の児童精神科医が解説


こんにちは、名古屋市千種区 児童精神科専門クリニック、医療法人永朋会 和光医院、加藤晃司です。

今回は、大人のADHD治療の子どもとの違い、そして治療だけがゴールではないということについて解説します。

大人のADHDの方、自分で調べて自分で受診する方、増えてきましたが、なんとなくこれ以上増えていかないなという印象です。

大人のADHDに保険適応になった薬が登場した10年ほど前に、一気に注目されて世間に広がりましたが、それ以降、なんとなく下火になっているように思います。

ADHD診断目的、と主訴の欄に書く人もだいぶ落ち着いたと思います。

そのため、うつ病とか、不安障害と、診断されている方の中にまたADHDが埋もれているように思います。

色々とうまくいかない原因がADHDにあるならば、それを治療しないと根本的には解決しません。

しかし大人は多くの方は仕事の場面で困っていることが多いので、ADHD症状が改善したとしても、目の前の仕事での問題がすべて解決することはほとんどないと思います。

もちろん仕事の内容にもよりまずが、多くの仕事は複数の脳機能を同時に使っており、そして経験、熟練、精神的安定、などなど、その仕事自体にほんとに多くの時間を向き合わないと、その仕事ができるようにならないものがあります。

ある程度症状がとれたら、その先の問題はADHD症状の中にはもう答えがない、ということになります。

それはADHDに限らず、精神症状は多くの人にとって、当てはまることだと思います。

しかしどうしてもADHDの中にのみ、自分がうまくいかない理由を探そうとしてしいがちになりますので、注意が必要です。

治療者側としては、そのあたりも自分で気が付けるようにしていきますが、自分の中にしみこんでいくのに時間がかかる方もいます。

でも向き合っていかないと、解決しないので、時間がかかっても少しずつ腑に落ちていただくようにしています。

といってもADHDは比較的症状を内服でコントロールしやすいものでもあり、何が変わるかは体験しないと分からないことばかりです。
なぜなら生まれつきの苦手さはずっとつきまとっていて、それがなくなったらどうなるのか、想像することは本人にはできないからです。

治療を続けているのだけど、なかなかよくならない、そういう時は発達障害が何かベースにあるかもしれません。

その時は大人の方でも、児童精神科を受診してみてください。
もしかしたら根本的な原因を見つけることができるかもしれません。


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