日本語力が十分ではない外国人の児童患者さんの支援
日本語力が十分ではない外国人の児童患者さんの支援
前回のブログにもつながりますが、
外国人の患者さんが徐々に増えていることについて
日本語力が十分ではない滞日外国人の児童患者さんの相談が、最近増えています。
基本的な診察や治療についての対応は、もちろん、どの患者さんも変わらないのですが、言語的コミュニケーションの必要性の高い治療等対応に思案する場面があります。
児童患者さんの来院相談の症状として以下のようなものがあります。
①かんしゃくや多動、対人トラブル、不眠、べんきょうができないなど日常生活や学校生活における症状の相談。
主に、自閉スペクトラム症やADHDを疑う症状について
②幻覚妄想、抑うつ、強迫症状、パニック症状など精神病症状、気分障害、不安性障害などを疑う症状の相談。
②のような、薬物治療がメインとなるものは、言語的問題がそこまで生じません。
心理療法を提案はご家族や本人の状況によります。
(プレイセラピーは希望にて。対話がメインとなるカウンセリングは難しいケースが多い)
①について
滞日外国人の児童患者さんの多くは、地元公立学校に通われている方がほとんどです。
・対人交流に苦手意識があったり、かんしゃく・多動などの行動の悩みがある際は、言語の制約があるとしても放課後デイなどの療育を勧める。
(施設により、日本語理解の不十分なお子さんの受け入れは身体の安全上、難しいことがある。)
・基本的に日本語理解が難しいと、WISCなど知能検査は行えない。
MSPAやPARSのように養育者の面接で行動や症状の傾向を判断することは可能だが、厳密なIQはわからない。
行動の様子や、学力の程度(例えば、9歳でくさ下がりの計算ができない、など)で知能障害の有無はおおまかに判断。
・今後の生活や学習のメインとなる言語は何語か?
オンラインなどで自国の言語療法などのサービスをうけてもよいと思う。
病院としての、言語的な対応の難しさのある患者さんへの対応を思案しております。
名駅さこうメンタルクリニック
丹羽亮平
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