治りにくいうつ病【非定型うつ病】 パーソナリティ障害?
治りにくいうつ病【非定型うつ病】 パーソナリティ障害?
非定型うつ病とは、『新型うつ病』とも表現されますが、
1994年にDSM Ⅳで定義されたことから広く認知されるようになった、比較的新しい疾患といえます。
この数年で診断される方が非常に増えています。
例えば、通院されている患者さんですが、
前医で「境界型パーソナリティ障害」と診断され、治療をいろいろ行うも改善せずに、当院にいらっしゃった方がいます。
・恋人とうまくいかなくなってから気分の落ち込みが強く、1日中ふさぎ込んでいる。
恋人に言われた発言がひとつずつ気になり、ネガティブな思考に繋がる。
・イライラして、相手に暴言をぶつけることがあるが、そのあと過度に落ち込む。
・一方で、友達と一緒に行く食事や、好きなアイドルのコンサート、旅行は心から楽しめる。(しかし、これらのイベントが終わると、再度、気分が落ち込む)
・身体が鉛のように重くて、家では横になることが多い。また、過眠傾向。
体がだるくてバイトを休むことがある。家事などはほとんどできてない。
・ストレスでおやつを食べてしまう。
・振り返ると、学生時代から教師や友人の評価や、他人から嫌われることへの不安が強かった。そのため、課題は丁寧に行い期日を守るため、教師からの評価が高かった。
しかし、学生時代から交流の続く友人が多く、対人関係の不安定さとは言えない
こちらの女性は非定型精神病と診断し、抗うつ薬をメインとする薬剤療法を施行。
また、非定型精神病の方には、他疾患との併発や、もともとの養育環境・トラウマとなるエピソードなど、背景に悩みを抱える方が少なくありません。
上記の方では、家庭環境を言及した心理的アプローチと行動療法が極めて有効でした。
まず今回、非定型うつ病の診断基準とうつ病との違いを記載します。
*非定型うつ病
うつ病カテゴリーのサブグループに所属するため、基本的には、気分の落ち込み・抑うつ気分がメインの症状となるのですが、他の症状や行動傾向が、従来のうつ病と異なるため『非定型うつ病』と言われます。
DSM-5の非定型うつ病の診断基準
気分の反応性: 楽しい出来事があると気分が一時的に改善する。
以下のうち2つ以上が認められること:
有意な体重増加または食欲増加
過眠(過剰な睡眠)
鉛様の麻痺(身体が重く感じる)
対人関係での拒絶に対する過敏性
メランコリアの特徴(従来の大うつ病の症状)や緊張病(幻覚・妄想など)の特徴を伴わないこと。
特徴
気分の反応性: 非定型うつ病の最大の特徴で、落ち込んでいても楽しい出来事があると気分が改善します。
過眠と過食: 定型うつ病とは異なり、非定型うつ病では過眠や過食が見られることが多いです。
鉛様の麻痺: 身体が鉛のように重く感じ、動くのが困難になることがあります。
拒絶過敏性: 他者からの批判や拒絶に対して過度に敏感になり、些細なことでも大きく落ち込むことがあります。
お悩みのことがあれば、ぜひご相談ください‼️
名駅さこうメンタルクリニック
丹羽亮平
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