自閉性スペクトラム障害(ASD)を合併しているのかどうかは、どの精神疾患を治療する場合でも、非常に重要、名古屋の児童精神科医が解説
自閉性スペクトラム障害(ASD)を合併しているのかどうかは、どの精神疾患を治療する場合でも、非常に重要、名古屋の児童精神科医が解説
こんにちは、名古屋市千種区 児童精神科専門クリニック、医療法人永朋会 和光医院、加藤晃司です。
今回は、ASDを合併しているのかどうかは、どの精神疾患を治療する場合でも、非常に重要について解説します。
ASD、といよりは、以前の診断基準にはいっていた、PDDNOS、特定不能型の広汎性発達障害、の診断はつくが、PDDはつかない、人はほんとに多くいました。
日本人にPDDはもともと多いのだと思います。
PDDNOSまで含めると、かなりの確率になるでしょう。特に男性優位の疾患なので、男性の精神科に通院している人の中でPDDNOSを実は併存している人は、ほんとに多いはずです。
PDD、つまり対人相互性の障害がある人、ということになります。
対人相互性の障害とは他者の心の理解の障害、他人の気持ちや感情を予測、推測する力がうまれつき乏しいということです。
これは他人の心だけでなく、目に見えない何かを想像したり、予測したり、イメージしたりすることは全般的に苦手となります。
空気がよめない、場違いなことをしてしまう、などは対人相互性の障害があるために発生します
このことがベースにあると、日本での学校や仕事におけるコミュニティーで対人的なトラブルが多く発生するはずです。
子どものころから、対人関係での困難、失敗が継続していれば、おのずと自己評価は低くなり、対人緊張も強くなるでしょう。
パニック発作のようになることもあると思います。
このストレスが長く続けば、うつ病になる人もいます。
クリニックにくるときの主訴は、気分が落ち込む、やる気がでない、学校にけない、仕事にいけない、息苦しい、お腹が痛い、頭が痛い、かもしれません。
しかし根本的にはPDDのせいで幼少期より失敗体験を繰り返し、自我機能が低下していることが原因です。
ここを扱わないで、単純に抗うつ薬や抗不安薬を出しても、あまり効果ないでしょうし、副作用の方が目立つかもしれません。
効かないからと、薬が変わったり、どんどん増えたりして、悪循環に入っていきます。
PDD、ASDはどうしても生まれつきの障害なので、生育歴聴取が必要です。
そうなると、児童精神科医でなければなかなか診断は難しいでしょう。
特にPDDNOSくらいわかりにくと、なおさら素人では発見できません。
自分に少しでも当てはまるなと思う方は、ぜひ当院へご相談ください。
現状を打開するきっかけを作ることができるかもしれません。
医療法人永朋会 和光医院
医療法人永朋会はこちら