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小児統合失調症、薬物療法開始のタイミングについて、名古屋の児童精神科医が解説

小児統合失調症、薬物療法開始のタイミングについて、名古屋の児童精神科医が解説

こんにちは、名古屋市千種区 児童精神科専門クリニック、医療法人永朋会 和光医院、加藤晃司です。

今回は、小児統合失調症、薬物療法開始のタイミングについて解説します。

統合失調症とは不思議な病気で、思春期ころを好発年齢とした進行性の精神疾患です。

正直児童精神科臨床を長年やっていますが、統合失調症はさまざなな経過をたどっており、診断基準をがちっと決めることはできないだろうというのが感想です。

統合失調症もスペクトラムというとらえ方の方が、ミスを減らすことができるはずです。

統合失調症は、幻覚、妄想、を認める疾患で、かつ症状として目立つので、それが先行していますが、主病態は違います。

メインの病態は、自我漏洩症状、です。

つまり自我機能が障害される病気、ということです。

自我とはわかりにくいですが、自分と他者、外の世界を分けている壁のようなイメージでいいと思います。

自我機能が障害されると、自分の考えが外にもれたり、人の考えが自分の中に入ってきたり、なんとなく世界との境界があいまいになり、漠然とした恐怖を感じるようになります。

自分を外から守っている壁が壊れた感じです。

この自我漏洩症状が主病態です。

となると、DSMの診断基準を満たす前でも、自我漏洩症状がでるようになったら私は薬物療法を開始するタイミングだと思っています。

正直この時期に薬物を開始したとしても、その後の統合失調症の急性増悪をとめることはできないこともあります。

ですが、急激な増悪や、進行をややとめることはできると思っています。

ちなみにですが、自我漏洩症状は、病態水準が悪化したら、他の病気、例えばうつ病や強迫性障害でも発生します。

その場合は一時的に抗精神病薬を使うことがあってもいいと思います。
症状が改善したらやめます。

精神科の薬は一度開始するとやめれないと思っている方もいますが、そんなことはありません。

症状が改善したら、どこかのタイミングでやめてみるべきです。

精神科の内服を継続することによる副作用は注意しなくてはいけません。

漠然とした恐怖感が、最初に出現する症状です。よく覚えておいてください。

不登校、ひきこもりになるきっかけがこの症状であった子を多く見てきました。

気にあることがある方は、早めに当院へご相談ください。

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