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ベルソムラ、デエビゴとナルコレプシーの関連

ベルソムラ、デエビゴとナルコレプシーの関連


 ベルソムラ(スボレキサント)やデエビゴ(レンボレキサント)はオレキシン受容体拮抗薬としての睡眠剤ですが、



 オレキシン神経の機能不全・欠落にともなう疾患がナルコレプシーです。







 ナルコレプシーは日中の過度の眠気をみとめ、睡眠発作、情動脱力発作、入眠時幻覚、睡眠麻痺が特徴的な症状として挙げられます。










そのため、



ベルソムラやでデエビゴを内服したらナルコレプシー症状を誘発するのではないか?



と販売された当初、僕自身も思いましたが、基本的にそのリスクはありません。











以下、睡眠研究の第一人者である柳沢正史先生の筑波大学の研究所の報告です。



高用量のオレキシン拮抗薬投与がナルコレプシー症状を誘発する | 筑波大学 IIIS 柳沢・船戸研究室 







 高用量のレンボキサント(ベルソムラ)をマウスに投与した結果、通常の内服環境ではナルコレプシー症状は誘発されないが、特殊な条件ではナルコレプシーが誘発される。







→この結果の解釈は、



「ベルソムラはナルコレプシーのリスクだということではなく、



普段では内服しない高用量にてベルソムラを内服しても、ナルコレプシー症状は基本的に起こらないくらい忍容性が高い。安全だ。」

 

ということです。









 成人ではベルソムラを10~20㎎(体重50㎏であれば、0.2~0.4㎎/㎏に該当)するのにたいし、マウスは100mg / kg相当量を使用。

 これらの高用量レンボキサント(ベルソムラ)投与にて、急性投与でも慢性投与でもナルコレプシー症状は出現なし。

 1週間の高用量レンボキサント内服後に、1週間断薬。その後、内服開始後にチョコレート刺激にて脱力発作が出現。











 通常使用では、オレキシン受容体拮抗薬がナルコレプシーを引き起こすリスクはほぼないですが、ナルコレプシー症状の入眠時幻覚が悪夢に関連しているのではないか、と個人的に考察をします。




名駅さこうメンタルクリニック

院長 丹羽亮平

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