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漠然とした不安、という主訴は注意が必要、名古屋の児童精神科医が解説

漠然とした不安、という主訴は注意が必要、名古屋の児童精神科医が解説

こんにちは、名古屋市千種区 児童精神科専門クリニック、医療法人永朋会 和光医院、加藤晃司です。

今回は、漠然とした不安、という主訴は注意が必要、について解説します。


漠然とした不安、本人はそのように表現することは少ないですが、何に対する不安か明確でない不安を主訴に来院される方は結構います。

不安が強いから、抗不安薬を出したくなりそうですが、そもそも抗不安薬は不安がとれるというよりかは、ボーとしてい気にならなくなる、というような効き方をします。

動悸、息苦しさ、しびれ、などの自律神経発作にはある程度効果を出していますが、体の症状以外の不安という部分にはばしっとは効きません。

特に漠然とした不安には、ほんとに薬はあまり効かないです。

しかも漠然とした不安は、精神病圏に病状が進展する可能性もあるので注意が必要です。

難しいのが精神病圏にいきそうだなと思って、抗精神病薬を早めに使ったとしても、これはこれであまり効果がないということです。

精神科の薬はかなり病態が悪くないと効果よりも副作用の方が目立つ、あまりイノベーションの起きていない領域です。

根本的なメカニズムはこの十数年ほとんど変わっていないといってもいいでしょう。

漠然とした不安があり、それが病態が重たくなっていかないならば、内服は使っても副作用が目立ちますが、精神科での治療選択肢は薬以外は心理療法になるため、不安が強いと心理療法に向かないため、内服が使い続けられることが多くなります。

漠然とした不安はとれない、しかし薬は続ける、もしくは増えていくと、そのうち薬の副作用のせいで元気がなくなってきます。

元気がなくなると不安を訴えなくなるかもしれませんが、それは本末転倒でしょう。

漠然とした不安は悪くなっていかないなら、精神科の薬はあまり使わず様子を見た方がいいでしょう。

薬は効果がなかったからといって長期間使ってしまうと、やめる時も大変です。離脱症状がでて、やめにくいからです。

再生医療を利用したTMSやエクソソームは漠然とした不安しかない状態でも副作用がほぼないため使いやすいかもしれません。

とにかく漠然とした不安、は治療が結構むつかしいので、そこは理解しておいてください。

医療法人永朋会 和光医院
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