自閉性スペクトラム障害(ASD)のコミュニケーション力は上がる可能性はある、名古屋の児童精神科医が解説
自閉性スペクトラム障害(ASD)のコミュニケーション力は上がる可能性はある、名古屋の児童精神科医が解説
こんにちは、名古屋市千種区 児童精神科専門クリニック、医療法人永朋会 和光医院、加藤晃司です。
今回は、自閉性スペクトラム障害(ASD)のコミュニケーション力は上がる可能性はある、について解説します。
ASDの中核症状は、対人相互性の障害、つまり他者の心を想像する力、です。
心という見えないものを見る力、とも言えます。
これが苦手だと、コミュニケーションにおいて、相手の意図や気持ち、感情、思考を、想像する力が苦手なので、意図を取り違えたり、場の空気をよめなかったり、することがあります。
しかし多くの人は、対人相互性の障害はあるものの、欠如しているわけではありません。
なんとなくは分かるが、時に間違える、といった感じでしょう。
このくらいであれば、子どもの時からのコミュニケーションの経験により、失敗体験を記憶することで、ある程度推測して会話を進めることができるようになっている人もいます。
あとは、ある程度パターン化されたコミュニケーションカードをどのように使っていくかを、瞬時に判断して、間違えないように手札をきっていくという作業になります。
これは並行作業となるので、ADHDの不注意症状があると、この作業効率が落ちます。
ゆっくり考えたらあっていたが、早くやると間違えてしまうことがでてきてしまいます。
このケースではADHD治療薬がかなり効くことがあります。
不注意が改善することで、コミュニケーション時の判断力が上がり、結果としてずれることが少なくなります。
ASDの診断がつくとコミュニケーションの苦手さはしょうがないとなりがちですが、そんなことはないのです。
そしてASDとADHDは併存しやすいため、このパターンに当てはまる方は割といます。
もしかしたら自分もそうかもしれないと思う方は、ぜひ当院へご相談ください。
医療法人永朋会 和光医院
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