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第 1 回 医療法人永朋会 きもとメンタルクリニック 院長 木本幸佑

〇〇先生

経歴

2003年智辯学園和歌山高等学校卒業
2009年徳島大学医学部卒業
2009年東名厚木病院 初期研修
2011年東海大学医学部専門診療学系精神科学 臨床助手
2014年東海大学医学部専門診療学系精神科学 助教
2018年医療法人永朋会 きもとメンタルクリニック 院長

ドクターズリレーの記念すべき一人目の先生は、医療法人永朋会 きもとメンタルクリニック 院長の木本幸佑先生です。
木本先生は、東海大学医学部付属病院で児童精神科を専攻され、子どもから大人まで幅広く診療しています。平成30年4月から医療法人永朋会に入職され、神奈川県厚木市で開業するきもとメンタルクリニックの院長に就任されます。
きもとメンタルクリニックは、外来診療、精神科デイケアの医療部門と、児童発達支援・放課後等デイ、就労移行支援、B型作業所の福祉部門のある、医療福祉複合施設となっています。児童精神科を専門としたクリニック自体も少ない中で、子どもから大人までを対象として、医療から福祉まで連続したサービスを提供できる日本でも数少ない施設となっています。訪問看護などのアウトリーチも行っていますので、あらゆるライフステージで起こりうる問題に対応できるようにサービスが提供されています。

木本先生へのインタビュー内容です。

<質問>

① 医師になりたいと思ったのはいつ頃ですか?

高校3年生で進路を決める時に、医学部入学を決めました。

② 医師になりたいと思ったきっかけが何かありましたか?

それまでは医学部志望ではありませんでしたが、当時イラク戦争が起こった頃で、中東で活動する国境なき医師団がテレビで特集されているのを見て、漠然と医師になろうかなと思ったことは覚えています。ただ当時の自分は、今思えば驚くほど将来のことはあまり考えておらず、医師の資格があれば就職などに困らないだろう、それで人の役に立てるのなら医師になろう、という程度の考えだったと思います。


③ 現在の診療科を選択した理由は?

もともと上記のような理由で医学部に入学したので、とくにこれといって志望する科もありませんでした。ただ研修医になって精神科病院で研修している時に、なんとなく自分に合っているなという感覚がありました。あとはその研修先の病院でお世話になった先輩と仲良くさせて頂き、自然とそのまま関連先の大学病院の医局に入局することになりました。現在の専門は児童精神科ですが、当時は児童精神科というより一般精神科医になるという感覚だったと思います。医局に入局してから児童精神科という領域をあらためて認識し、学ぶようになりました。


④ どのような患者さんが来られますか?

私は児童精神科を専門としていますが、精神保健指定医、精神科専門医を取得する際に一般精神科病院での勤務もしており、現在は患者さんの年齢に関係なく診療しています。未就学のお子さんから小~大学生、大人は中高年から高齢の方まで幅広く診療しています。疾患でいうとうつ病やパニック障害、適応障害、摂食障害、統合失調症、パーソナリティ障害、発達障害、認知症などさまざまな精神疾患の患者さんの診療にあたっています。


⑤ どのような治療をしていますか?

あまり知られていませんが、実は精神科領域は小児科と一般内科のように、児童精神科と一般精神科でわかれています。児童精神科医は大人の患者さんを診ることはあまりなく、一般精神科医は子どもの患者さんを診療の対象にしていることはほとんどありません。しかし一般内科と小児科は全く別の学問とよく言われますが、児童精神科と一般精神科にはそれほど違いがあるとは思えません。子どもが成長して大人になるわけで、そこには連続性があり、その成長過程の中でさまざまな問題が生じ精神疾患として表出されます。子どものこころの動きがわからないと大人の診療はできないし、大人になってからどうなるかを知らないと子どもの治療はできないということを実感しています。発達障害の子どもも大人になり、どんなにひどいうつ病やパニック障害、パーソナリティ障害の大人にも子供時代があるのです。その中で精神疾患として表出されてはいるけれども、患者さんそれぞれの根っこにある問題は何なのかを考え、変えられる部分と変えられない部分についてアセスメントし、変えられる部分を精神療法や薬物療法、心理カウンセリング、環境調整などを行い、少しずつ変容を促すということを行っています。


⑥ 現在の仕事をしていてやりがいを感じる時は?

精神科領域は人のこころを扱うため、目に見えないものが多く、明確に治療効果がでるということはあまりありません。またすぐに変わるものはすぐに戻ってしまうことが多く、人が変わっていくためには長い時間がかかるため、治療効果についてもすぐに評価することができないことも多々あります。しかし患者さんとお互い長く付き合っていく中で、数か月前、数年前とは変わってきたよね、と話し合えた時は、やってきてよかったなと感じる瞬間だと思います。あとは先生のところに来てよかったと言われた時は当然嬉しく、やりがいを感じることができます。


⑦ 仕事以外でリラックスできるのは何をしている時ですか?

最近は忙しくてあまり機会がありませんが、地元の友人や仕事仲間と飲みに行った時です。
やはりこういう仕事をしていると、人と関わるということの大切さを感じる事が多く、気を許せる仲間との飲み会も昔とはまた意味合いが変わってきたように思います。

⑧ 5年後の目標を教えてください

診察室の中で行う精神療法や薬物療法、心理カウンセリングだけではなく、デイケアや訪問看護、療育、就労支援、地域の学校や児童相談所など関係機関との連携など、より包括的で幅広い支援ができるように尽力していきたいと思います。


以上が木本先生へのインタビューとなります。
熱い内容ですね。

木本先生の話の中で、「精神科は心という見えないものを扱う科だけに、内科や外科とは違う見えないものをみる力が必要なんです。症状は一番外側に分かりやすくでているだけであり、ほんとの治療はその奥にあるその人自体がどうなっているのかを見ることからはじまります」という言葉が印象的でした。
病気ではなく、その人自体を治療するという意味では精神科は特別な科なのかもしれません。
しかし「見えないものを見る力」、これは精神科医療に限らず、あらゆる仕事、突き詰めていけば人がより自分らしく生きるためには必要なのではないかなと思いました。

きもとメンタルクリニック詳細は、医療法人永朋会HP,アメブロをご覧ください・
・医療法人永朋会
http://wako-psy-clinic.com/eihoukai/

・アメブロ
https://ameblo.jp/wako-clinic

第一回ドクターズリレーは、児童精神科医 木本幸佑先生でした。

次の第二回はまだ誰になるか決まっていませんが、木本先生からバトンをつないでいただこうと考えています。