アットドクター

児童精神科医・精神科医・臨床心理士・管理栄養士が
心の悩みに答えるQ&Aサイト

  • 医師・臨床心理士・管理栄養士一覧
  • お問い合わせ
  • よくあるご質問

第 1 回 医療法人永朋会  加藤晃司

〇〇先生

経歴

1998年 愛知県立旭丘高校卒業
1999年 東海大学医学部入学
2005年 東海大学医学部卒業
2005年 東海大学医学部付属病院 臨床研修医
2007年 東海大学医学部専門診療学系精神科学 臨床助手
2009年 医療法人弘徳会愛光病院
2010年 東海大学医学部専門診療学系精神科学 助教
2012年 医療法人弘徳会愛光病院
2013年 和光医院 院長
2013年 東海大学医学部専門診療学系精神科学 研究員
2014年 東海大学医学部医学研究科 博士号取得
2015年 医療法人永朋会 理事長
2018年   ビジネス・ブレイクスルー大学大学院経営学研究科 経営管理修士取得(MBA)

ドクターズリレーというコンテンツを始めていきます。

外来で会うだけではその医師が何者なのか、良くわからないことが多いと思います。

しかし精神科に限らず診察というのは生ものですから、人と人とが交差するなかで発生するサービスです。

医師個人がどう生きてきたのか、何を大事にしているのか、などが分かった方がより深い部分で交差するのではないかと思い、このような企画をしました。

理事長 加藤晃司

<略歴>
【専門分野】
児童精神医学、乳幼児精神医学、リエゾン精神医学、美容皮膚科

【略歴】
1998年 愛知県立旭丘高校卒業
2005年 東海大学医学部卒業
2005年 東海大学医学部付属病院 臨床研修医
2007年 東海大学医学部専門診療学系精神科学 臨床助手
2010年 東海大学医学部専門診療学系精神科学 助教
2013年 和光医院 院長
2014年 東海大学医学部医学研究科 博士号取得
2015年 医療法人永朋会 理事長
2018年 ビジネスブレークスルー大学大学院 経営学研究科経営管理専攻 
経営管理コース卒業 MBA取得

【資格】
精神保健指定医
日本精神神経学会専門医
日本児童青年期精神医学会認定医
子どものこころ専門医

【所属学会】
日本精神神経学会
日本児童青年期精神医学会
日本青年期精神療法学会
日本精神科救急学会
日本美容皮膚科学会
日本再生医療学会
日本免疫療法学会
日本癌治療学会
多血小板血漿(PRP)療法研究会


<東海大学医学部付属病院時代>
児童精神科をメインとしていましたが、治療対象は子どもから大人まですべての年齢の方を診療していました。私が入局した時くらいから東海大学病院には精神科病棟がなくなり,入院治療はすべて精神科リエゾン(救急,緩和オンコロジー,一般)を行っていました。そして当時としては非常に珍しいことだったと思いますが、児童精神科医がERチームに所属しており、大学病院時代は救命救急センターリエゾン、外来は児童精神科専門外来を行っていました。
臨床研究は児童+救命救急センターの組み合わせのテーマを扱い差別化していました。この組み合わせも日本では東海大学のみの特徴であり、論文も通りやすかったので大学にいる時には大学でしかできないことをと思い、空いている時間はすべて論文作成にあてていました。精神科の論文は精神療法をテーマにしたものの時は叙述的なものになることがあり、パーソナルな部分が反映しやすいと思いますので、ご興味がある方はぜひ読んでください。私の個人的な思考がだいぶ入っていると思います。論文詳細はHPに記載しています。

開業後のビジネスも児童精神科をコアコンピタンスとして、事業展開をしました。その当時は競合はほとんどいないため、強力な差別化の要因となったと考えています。

現在は内科、美容医療、がん免疫療法など、他の領域へ展開しています。結局、医療とは人を診ているわけですから、心、体には連続性があります。切り離すことはできないのです。

“自分らしく生きる”ということを理念・ビジョンにおき、当法人は児童精神科をコアコンピタンスとして医療福祉サービスをスタートさせ、現在は他科含め多くの医療領域でサービスを提供しています。心と体を健康に保つためのあらゆるサービスを男女問わず、子どもから大人まで、どのライフステージにおいても、必要な人に、必要なものを届けたい、常にそう考え新しい試みを行い続けてきました。

私は医業のビジネスを展開していく中で、迷った時期があります。医療の知識のみでは、多くの人に均一なサービスを届けることができないと感じました。そんな時に、ビジネス・ブレークスルー大学大学院に出会い、MBAコースに進むことになりました。ビジネススクールでの学び自体も重要でしたが、そこで出会ったこれまで出会ったことがなかった人たちとの出会いが自分のその後の人生を大きく変えることになりました。もがいている者にはチャンスのウィンドウが開くことがあるが、その窓は一瞬しか開いていないから、迷わず飛び込む心の準備は常に必要だと感じました。
ビジネススクールの卒業課題として、事業計画書をプレゼンするというのがあります。私はそこで卒業研究のテーマとして、アットドクターというこのサイトを作りました。リアルとネットを融合して、必要な人たちに必要なサービスを届けたい。ITを利用して時間と空間を超えたい。というのがこのサイトに込めた願いでした。


今後は医療+何か、ニューコンビネーションでイノベーションを起こしていきたいと考えています。


<精神科医師を目指す方々へ>
せっかく精神科メインのサイトですから、若手医師、もしくは精神科医師、心理士、その他関連する仕事をする方がたへのメッセージです。

①マクロな視点で獲得してほしいスキル

0から1を生みだす力
→日本人は0から1を生み出すことが少し苦手だと思います。やったことがないこと、前例がないこと、今この世の中に存在していないこと、0から1を生み出す力をつけてほしいと思います。自身にその経験がなければ、診療でそれをリアルに語り、相手の0から1を後押しすることはできません。精神療法は生ものです。診察室の中にのみ発生する、リアルな人と人との交差による営みです。自分の中にないものは相手に伝えることができない。精神医学の知識だけでは、相手が必要としているものを与えられないことが少なからず発生するからです。

見えないものを見る力
→心はもちろん目には見えません。想像する力、自分という入れ物に相手の感情を受け入れることで自分がどう感じるのか、自分自身を利用して相手に近づいていく作業が必要です。私は精神医療はめちゃめちゃ疲れる作業だと思います。ほんとなら一日に見える数が限られるはずです。しかし日本の保険医療はそうはなっていません。
話はずれましたが、見えないものを見る力は、ほかの分野、例えばビジネスでの応用も可能です。ものやサービスをユーザーに対価を払ってもらって届けるのがビジネスです。だからユーザー個人、もしくは集団が今何がほしいのか、潜在的なにニーズは、この先のニーズは、など考えるのに見えないものをみる力は役立つからです。

人はどこからきてどこへむかうのか
あらゆる学問は、最終的に同じ方向に向かっていると感じます。人はどこからきて、どこにいくのか。大きいテーマですが、大事なことだと思います。なんのために存在しているのか、存在する意味はなんなのか、答えはでないのですが、そのためにあらゆる学問はその答えを探しているようにみえます。こういうことを考えると漠然とした不安が発生します。しかも一度発生したら消えることはありません。でも漠然とした不安は、モチベーションにつながります。不安を消すためにはもがくしかないからです。もがくことでしか、今ない何かは生まれないと思います。

②ミクロな視点で獲得してほしいスキル
症状ではなく人をみてほしい(症状→疾患→人)
→DSM大事ですが、それだけでは精神科医としては半分でしょう。手術しない外科医のようなものです。主訴は存在しますが、その奥には病気があり、その奥には人がいます。目の前にいる人が、これまでどういう人生を送ってきて、これからどういう人生を送るのか、想像しなくては治療の先を予測することができません。予測できなければ、何かが間違ったときに気が付くことができません。人にとことん興味を持ってほしいと思います。これ診察のたびじゃないくていいんですよ、疲れるから。たまにそういう風に考えるときがあってもいいんじゃないかなということです。

結果、治療する側に迷いと探求する力がないと相手には伝えられません。

自分らしい人生を送れるにはどうしたらいいのか
自分は何かできるのか
迷いながら仕事頑張ってほしいと思いますし、私も常に迷いながら、たぶん死ぬ直前までこれで良かったのかなと迷いながら死んでいくのだうと今も思っています。精神科に親和性がありこの世界に飛び込んできたのであれば、最後まで迷いながら、誰かのことを考えながら死んで行けるのであれば本望じゃないかと思っています。くよくよすることから解放されないことが精神科を生業としていく者たちには重要なのです。

医療法人永朋会 理事長
加藤 晃司