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臨床情報 「ゲーム依存の治療」

「ゲーム依存の治療法 積極的に。」

『ゲーム依存』という言葉は近年、世間的にも広がり問題視されていることですが、



ついにWHOの定める国際疾病分類が第11版(ICD-11)に改定され、

それに伴いICD-11にて、gaming disorder ゲーム依存 が新たに追加されることになりました。



 つまり、アルコール、ギャンブル、薬物などの依存症・乱用に並んで疾患として認定されるわけです。





 



 しかし、ゲーム依存症と疾患認定されても、治療が追いついていない現状が否定できません。

 (依存症は、一般的に治療が難航するのですが…)





 患者さんの依存傾向に家族は悩んでいるものの、患者さん本人は悩んでおらず、治療に至らなかったり中断することが多いです。



 また、物質依存の治療では依存対象を一切断つことが原則としてあり、例えばアルコール依存症では『断酒』が行なわれます。しかし、スマホやネットに伴うゲーム依存は生活から切り離すことが難しく環境調節の困難さを感じます。



 そして、前回ブログにも記載したようにADHDなど依存が形成されやすい傾向のある方では一層の難しさがあります。







 と、ネガティブな話が続きましたが、

 

 僕自身は、ゲーム依存の治療にとても意欲的です!



 



 ・家族を含めての環境調整や心理療法

 

 ・ADHDなど背景にある疾患への対応

 

に加えて肝心なことは、



患者さん本人の治療意欲を継続して頂ける関係性 と 依存対象にとって代わる熱中できる対象を一緒に考えること



だと思っています。





 例えば、

 

 ADHDへの治療に加えて、



悩んでいた学校生活が楽しくなること、将来の進路に前向きに臨めること、趣味のスポーツを楽しむこと



 によりゲーム依存が改善するケースは多々あります。







ゲーム依存でお悩みの方がいらっしゃればご相談ください。





 *近々処方開始となるナルメフェンというアルコール依存症の治療薬が、ゲーム依存症にも効果があるのではないかと言われています。

 ICD-11の導入にて『ゲーム依存症』が正式に疾患と認定されると、対応した治療薬が認可される期待があります。

名駅さこうメンタルクリニック院長 丹羽亮平