臨床情報 「ギフテッドについて」
突出して優秀な人材を見つけて育てることは、教育の大事な目標の一つであると思います。
その点、アメリカでは国を挙げて天才児(ギフテッド)を発掘して特別な教育を提案し育てていくことが盛んに行われており、見習うべき点があるのではないかと思います。
ギフテッドとされた子どもでは、将来、自身の興味のある分野において能力を発揮して大きな功績を残している人物が多数存在します。
研究者、有名企業の創業者、アートの分野など。
例えば、ジョンズ・ホプキンス大学における天才児教育のプログラム(CTY)にはレディーガガやマーク・ザッカーバーグも受講したことで知られます。
なにより、ギフテッドを見つけて育てることは、
社会に大きな発展をもたらすだけでなく、ギフテッドと認定された子ども自身の人生もより自分らしさを発揮できる肯定的なものになることでしょう。
アメリカの教育省の2015年発表にて、
「2006年時点で公立校に通うアメリカ人生徒のうち約7%がギフテッドに認定された。」というデータがあります。
日本でもおよそ同数のギフテッド相当の子どもがいると予想され、もしもその子どもたちがより適切な教育がされてない場合(もちろん親により偉才ぶりを見つけられ、前向きな展開のある子どもも多いと思います)には惜しい気持ちがあります。
改めて、ギフテッドの概念ですが、単純にIQ試験にて高い数値を示す人物、という判定ではありません。
全米天才児協会の定義では
「ギフテッドとは例外的な論理能力と学習能力の才能をもつ個人を指す。
分野は大きく分けて2つあり、1つは言語化・記号化された分野(数学、音楽、言語など)、2つめは感覚運動能力の分野(絵、ダンス、スポーツなど)がある」
ギフテッド教育心理学の研究者として有名なモントリオール大学のフランソワ・ガニエ教授の定義では
「ギフテッドとは、untrained(未訓練)かつspontaneous(自発的)に現れる自然な能力を指し、最低でも1つの分野で同じ年齢の子どもと比較して上位10%の能力をもつもの」
ろされております。
能力の分野をあげると以下があります。
・知性
・創造性
・芸術性
・リーダーシップ
・特定の学問
・運動能力
ギフテッドの認定方法にはアメリカにおいても議論があるようですが、個人的には、才能のある子どもには適切な教育の機会を与えたいものです。
名駅さこうメンタルクリニック
院長 丹羽亮平