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臨床情報 「ADHDの検査は何があるのか?」

診察中にしばしば患者さんやそのご家族から聞かれるのは以下の質問です。



「ADHDは心理検査では分からないのですか?」





つまり、

「ADHDは問診だけで診断してよいのか?心理検査で客観的な指標をもって診断に至らないのか?」

という質問です。





これに対しての回答は、

基本的に、問診にて診断基準を満たせば診断に至ります。

(心理検査は補助的な指標となります。)



 ADHDと診断するにあたり、身体疾患(脳疾患、甲状腺疾患など)や他の精神疾患(双極性障害、不安障害、愛着障害、発達障害など)の有無を考慮して除外します。(もしくは併発を考えます。)



 病歴、生育歴、生活環境を伺うことで、疑わしい精神疾患のほとんどは有無を判断できます。

 身体疾患を疑う際には採血、脳画像検査など身体検査を依頼します。

 

 また、患者さんには知能検査をお願いすることが多いです。全体的な知的能力を把握できるだけでなく、ことばの能力、視覚的な能力、短期記憶など、患者さんの能力の向き不向きが詳細にわかり治療に活かすことができます。







ADHDの補助的な検査として、以下のものがあります。(当院では心理士による検査として行っていないものも含んでおります。)



・ASRS-v1.1 成人用。診断、スクリー二ング用の自己記入式チェックリストになります。

右矢印https://adhd.co.jp/otona/selfcheck/

・CAARS   成人用。ADHD症状について重症度の判定を行います。(治療効果の評価など)





・ADHD Rating Scale-IV (ADHD-RS) 幼児、小児用。診断、スクリーニング用。

・Conners 3 CAARSの小児用 重症度の判定。



・MSPA  「コミュニケーション」「共感性」「こだわり」「不注意」「多動性」「衝動性」などの13項目を評価。発達障害など他の発達の悩みのある方の能力を多面的に検査。







僕も診察では上記の心理検査を意識した内容を伺っております。


名駅さこうメンタルクリニック
院長 丹羽亮平