臨床情報 「歯痛とストレス ある患者さんのケース」
歯痛とストレス ある患者さんのケース
以前に通院されていた患者さんのエピソードですが、
「ストレスが悪化したら歯痛が出やすい患者さん」がいらっしゃいました。
定期的な継続通院は希望されなくて、
「ストレスが悪化して歯痛が出たら、抑うつや不安が悪化するサインと感じて来院され、抗不安薬にて対処する」
という通院パターンでした。
ストレスで歯痛が出る原因は、もともと歯周病や虫歯のある方が、ストレスに伴い抵抗力が低下し、慢性炎症が悪化することで痛みが出ることが多いです。
患者さんとしては、そのことをなんとなく理解しつつも、「ストレスが改善したら痛みが引く」と思っているため歯科受診は希望されずに経過しました。
ある日、歯のかぶせ物が外れたことで歯科受診にいったところ、意外に歯周病も虫歯もありませんでした。
患者さんも認識されておらず、僕自身も認識不足だったのですが、
ストレス時の歯ぎしりで長年、歯痛に悩まれていたそうです。
歯ぎしりの症状は、こちらも敢えて伺わないと気が付かないことが多いのですが、
歯周病、肩こり、偏頭痛、睡眠時無呼吸の状態など様々な全身症状に繋がりやすいです。
心当たりのある方は、ぜひおっしゃってください。
名駅さこうメンタルクリニック
院長
丹羽亮平