果物を食べるほどうつ病になりにくい
果物を食べるほどうつ病になりにくい
2022年11月、国立精神・神経医療研究センターによる興味深い研究発表がありました。
野菜・果物およびフラボノイド豊富な果物とうつ病との関連について
結論は:
フラボノイドの豊富な果物の摂取量が多いほど、うつ病が発症するリスクが低い
ということです。
先行研究にて、野菜や果物の摂取が、うつ病に予防的に働く可能性が示されており、抗酸化物質のフラボノイドが神経栄養因子や、酸化ストレスと神経炎症の抑制作用に効果を持ち、抗うつ効果を示すことが示唆されていました。
今回の研究にて、果物全体と特に、豊富なフラボノイドを持つ果物ついて、最も多く摂取したグループでうつ病のオッズ比が低かったことが分かりました。
(フラボノイドに限らず、果物全体が持つ抗酸化作用などの生物学的作用によって、うつ病の発症予防に働いた可能性がある。)
一方で、野菜や関連する栄養素とうつ病との関連は見られませんでした。
また、フラボノイドの豊富な果物の中で、とくにいちごの摂取によるうつ病のオッズ比は0.37(95%CI:0.18~0.79)とうつ病への効果が顕著でした。
個人的な感想として、野菜はうつ病との関連はなく、果物(とくにイチゴ)にうつ病発症の低さを認めたとのことについて、うつ病発症との環境因として影響のある「経済状況」との関連が影響しないのか気になりました(果物は値段を理由に買い控えている方も多いと思います)。
また、中高年を対象とした試験ですが、既婚・未婚の影響はどうでしょうか。
(統計学的解析時に、年齢、性別、雇用、飲酒、喫煙、運動習慣の影響を取り除き調整。
されたようです。)
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名駅さこうメンタルクリニック
丹羽亮平