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子どもがえり、って何か

子どもがえり、って何か


子どもがえり、って、どの年代の方にもおこる現象です。

子どもが子どもがえりするのが分かりやすいですが、急にお母さんにべったりになったり、おねしょをするようになったり、おしゃぶりのようにペンや鉛筆をかんだり、する、行為です。

子どもにおこることが多いですが、大人になっても、子どもがえりはおこります。

大人の子どもがえりは、分かりにくいものも多いですが、しばらく付き合っていると、「あれ、これは子どもがえりの症状かな、」と思うことあります。

大人ですが、日中の眠気、寝ても寝てもねむい、なかなか起きてこれない、発熱、体がだるい、腹痛、頭痛、このあたりが多いように思います。
こうやって、文章で書くと、よくあるようなこと、ですので、症状だけみていても、子どもがえりだとは分かりません。

なんらかのストレスがかかった時の、防衛反応、ディフェンスの一つとして、子どもがえりが起きているということです。

子どもがえりが起こるのは、悪い防衛反応ではありません。むしろ症状という形で、自分の外に発散しているわけですから、気が付いてもらうという意味でも、いい防衛反応なのです。


しかし子どもがえりを発動するには、一つ条件があります。


それは、子どものときに、養育者(主に母親)との関係のなかで、いい思い出があることです。いい思い出が多くなければいけません。
子どものときに幸せだったという記憶、感覚が無意識にあるから、その幸せだったときに、戻りたい、という感覚がでるわけです。
また、子どものときに、何か自分だけで対処できない困ったことがあったときに、なんらかのサインを出したら、養育者に解決してもらった、やさしくしてもらった、愛情をあたえてもらった、という成功体験がなければ、子どもがえりはしません。


なので、子どもがえりをしている方をみると、愛されて育っており、そういう意味での生育歴は問題がないのだろうな、とは思います。もちろん愛されているから、すべてOKというわけではないのですが、そうでない場合よりは、病態は悪くない、というわけです。

もちろん、ストレスへの防御反応として、子どもがえり一辺倒では、ちょっとディフェンス力は低いな、とは思うところもあります。
成熟している大人たちは、ストレスへの防衛の仕方は、自然と複数みについていることが多いです。

というわけで、子どもがえりは、子どもだけでなく、大人にもでますし、大人だと分かりにくいです。

大人の場合、これが子どもがえりかもしれない、と気がつくだけで、いったんその症状は落ち着くこともあります。

子どもの場合は、しばらく心身ともにみっちゃくした状態にしてあげれば、さっと落ち着くことがおおいです。

医療法人永朋会 理事長
加藤晃司