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ADHDの不注意症状があると、どのような仕事で支障が出る可能性があるか?名古屋の児童精神科医が解説

ADHDの不注意症状があると、どのような仕事で支障が出る可能性があるか?名古屋の児童精神科医が解説

こんにちは、名古屋市千種区 児童精神科専門クリニック、医療法人永朋会 和光医院、加藤晃司です。

今回は、ADHDの不注意症状があると、どのような仕事で支障が出る可能性があるか?について解説します。

ADHDといってもそれぞれ個性、性格もありますので、困りごとはたくさんありますが、不注意症状があるために苦手さがでる仕事にはある程度一般化可能です。

ADHD(注意欠陥・多動性障害)の不注意症状がある場合、特定の仕事や職場環境で支障が出る可能性があります。不注意症状は以下のような特徴を持つため、特定のタスクや職場状況で課題を感じることがあります。

1. 不注意症状の特徴
注意を持続することが難しい。
細部に注意を払うことができず、ミスをしやすい。
指示を忘れる、または聞き逃す。
タスクの優先順位付けが苦手。
物をなくしやすい。
長時間の集中が必要な作業に困難を感じる。

2. 不注意症状によって支障が出やすい仕事の特性
以下のような特性を持つ仕事で、ADHDの不注意症状が影響を与える可能性があります。

① 高い注意力と正確性が求められる仕事
具体例: データ入力、会計、品質管理、薬剤師。
影響: 細かいミスや確認漏れが発生しやすく、重大なエラーにつながる可能性があります。

② 長時間の集中が必要な仕事
具体例: プログラミング、研究開発、法律事務、執筆業。
影響: 注意が散漫になりやすく、締め切りに遅れる、作業効率が低下するなどの課題が生じる可能性があります。

③ 計画性と整理整頓が求められる仕事
具体例: プロジェクトマネージャー、イベントプランナー、物流管理。
影響: タスクの優先順位付けが難しく、スケジュール管理が不十分になる可能性があります。

④ 複数の業務を同時に進める必要がある仕事
具体例: カスタマーサービス、秘書業務、医療スタッフ。
影響: 複数のタスクを同時に処理する能力が求められる場面で混乱したり、漏れが発生したりする可能性があります。

⑤ 規則性やルーチン作業が多い仕事
具体例: 工場のライン作業、事務処理、電話対応。
影響: 単調な作業に注意が続かず、ミスや作業の遅れが発生する可能性があります。
⑥ 高ストレス環境の仕事
具体例: 救急医療、株式取引、消防士。
影響: 緊急性や複雑なタスクの連続に対応する際、情報処理能力が一時的に低下することがあります。


苦手な仕事が分かっても対策とりようがないことも多いです。

また同時処理が苦手なので、ながら作業、会議などの複数の音声が飛び交う中でのディスカッション、平行作業の苦手さ、などは自分では気が付かないだけで、不注意症状のせいでかなり邪魔されている可能性はあります。

これらは不注意がいったんなくなってみないと、どの程度症状が影響しているかわからないです。

ですので、ADHDの不注意症状であれば、いったん内服を使ってみるのは一つの手です。

コンサータなどは朝内服したら夕方には効果がなくなるので、判定しやすいと思います。

大人のADHDは相変わらず見逃されています。

仕事でうまくいかないことがある、上記の何かに当てはまるようなことがあれば、当院へご相談ください。

医療法人永朋会 和光医院
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