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第 5 回 ないとうこころのクリニック 内藤剛大

〇〇先生

経歴

2009年 弘前大学医学部 卒業
•名古屋市立大学病院 初期臨床研修医
•名古屋市立大学病院 腎臓内科
•愛知医科大学 精神神経科 医員
•愛知県 一宮市 上林記念病院 精神科 医長

非常勤、嘱託医
•愛知県 一宮市 障がい者自立支援審議会委員
•愛知県 一宮市中央看護専門学校 講師
•愛知総合看護福祉専門学校 講師
•愛知県中央児童、障害者相談センター嘱託医

ドクターズリレー第四回目
医療法人永朋会 和光医院の院長に2020年4月から就任していただきました、内藤剛大先生です。


① 医師になりたいと思ったのはいつ頃ですか?
② 医師になりたいと思ったきっかけが何かありましたか?
なんとなく中学生時代から漠然と思っていました。最終的には高校3年生の時に決めました。
小学生の頃よく風邪をひいて、近所の小児科にかかっていました。体調が悪いと不安に感じることが多く、そこで小児科の先生から「大丈夫だよ」と言われただけで、すっと不安がとれ安心していきました。その頃、言葉一つで自分の不安をとって安心させてくれる先生はすごいと思い、自分もいつかその先生みたいに人の役に立てたらいいなと思いました。



③ 現在の診療科を選択した理由は?
学生時代病院実習があり、そこで患者さんを担当させてもらうのですが、精神科実習でも患者さんを担当させてもらいました。学生なので、話を聞くくらいしかできないのでが、実習の最後の日にその患者さんから、「担当になってくれてありがとう、ちょっと楽になった」と言われました。その際、自分が小さい頃感じた上記のようなことを思い出して、自分のなりたかった医師像が精神科医に当てはまるなと思いました。その後研修医の際、腎臓内科にも魅力を感じ、最後まで腎臓内科と精神科で迷いましたが、腎臓内科に進みました。腎臓内科医になった後も、摂食障害やうつ病の患者さんなど精神科の医師と治療をしていく場面が多く、精神科医への未練も感じていました。精神科では、内科のように検査をして診断して、ガイドラインに基づいて治療していくということに比べ、患者さんそれぞれの背景を考慮して、症状の原因を探っていき、同じ診断名がついたとしても、患者さんによって毎回ケースが異なるので、その都度自分で対処法を考えることが必要とされます。同じ診断名でも治療者の声のかけ方一つ、対処法一つで、治療が変わっていきます。自分の原点を振り返った時、やっぱり精神科医だと思い、精神科に進路変更しました。

④ どのような患者さんが来られますか?

未就学のお子さんから小~大学生、大人は中高年から高齢の方まで幅広く診療しています。疾患でいうと発達障害の患者さんが多いですが、うつ病やパニック障害、適応障害、摂食障害、統合失調症、パーソナリティ障害、認知症などさまざまな精神疾患の患者さんの診療にあたっています。


⑤ どのような治療をしていますか?
患者さんが困っていることを解決することを一番大事にしています。子供であれば、学校や家庭生活での困りごと、成人では職場や家庭生活での困りごとになると思います。人間関係や学校のこと、仕事のこと多岐に渡ると思います。その状況に合わせた治療を大切にしています。
精神科領域は小児科と一般内科のように、児童精神科と成人精神科でわかれています。児童精神科医は大人の患者さんを診ることはあまりなく、成人精神科医は子どもの患者さんを診ることはほとんどありません。発達障害などの特性は小児期からあり、そこから社会生活の中でパーソナリティーの問題などが出現していきます。子どもが成長して大人になり、成長過程の中でさまざまな問題が生じ精神疾患として表出されます。高齢になっても同じだと思います。その過程を考え、現状の環境からくること、本人の特性からくること、うつ病や統合失調症など頭の中の神経伝達物質の異常からくることを見極め、薬物治療たけでなく、心理カウンセリング、環境調整などを行い、少しずつ変容を促すということを行っています。子供の場合は、親御さんの対応に対してのアドバイスなど含めペレントトレーニング、本人の療育の目的に社会技能訓練を行っています。


⑥ 現在の仕事をしていてやりがいを感じる時は?

精神科領域は人のこころを扱っているため、目に見えないものが多く、検査結果がよくなるなど、数字に表れることはあまりありません。また特性などがすぐに変わるというのは難しいことです。それでも経過の中で、患者さんからここにくる前より良くなったと言われた時は、やってきてよかったなと感じます。子供の場合は成長する力もすごいので、成長し、今まで難しかった環境への適応などができるようになる姿を見ているとやりがいを感じます。


⑦ 仕事以外でリラックスできるのは何をしている時ですか?

休みの日はテニスなど運動をしてリフレッシュしています。
家族と団欒している時などもリラックスできています。


⑧ 5年後の目標を教えてください

診察治療していった患者さん達が、良くなっていることが一番の目標です。そのために、知識の吸収やスキルアップなど常時の自己研鑽の必要性を感じています。心療内科、精神科の場合は単に医学的な知識だけではなく、人生経験もスキルアップに繋がると思うので様々なことに挑戦もしていきたいと思っています。また通いやすい雰囲気作りを行えるようにしていきたいです。